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【環球異見・パキスタン政権交代】軍部と中国が将来を決定 ウォールストリート・ジャーナル(米国)

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【環球異見・パキスタン政権交代】
軍部と中国が将来を決定 ウォールストリート・ジャーナル(米国)

パキスタン下院選挙で投票するパキスタン正義運動(PTI)のイムラン・カーン党首=7月25日、イスラマバード(AP) パキスタン下院選挙で投票するパキスタン正義運動(PTI)のイムラン・カーン党首=7月25日、イスラマバード(AP)

 パキスタンの対テロ掃討作戦をめぐって米国とパキスタンの関係が冷え込む中、米国ではPTIのイムラン・カーン党首率いる新政権発足後、パキスタンと中国の蜜月関係が加速することへの懸念が示された。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは7月31日、政治学者のウォルター・ラッセル・ミード教授の寄稿を掲載した。ミード氏はまず、「パキスタンでの実際の意思決定は、選挙で選ばれていない軍当局者によって行われている」と指弾。隣国のインドと比べて安全保障面で劣るパキスタンは軍部に権力が集中しているとし、「反腐敗」を掲げてPTIが伸長した今回の選挙も「民主主義の茶番劇」と論評した。

 またミード氏は、今日のパキスタンで起きている問題で最も重要なのは、米国が「対テロ戦争」のパートナーとしてパキスタンを支援することに興味を示さなくなり、パキスタンの軍指導者が新たな擁護者として中国を求めていることだと説いた。

 ミード氏は、パキスタンを「テロリストと深くつながっている世界で唯一の核保有国だ」と指摘。「パキスタンの無能な文民政治家の言動よりも、パキスタンの軍指導者と中国共産党の関係によって、世界で最も危険な国や地域の一つの将来は決定されていくだろう」と警戒を強めた。

 一方、米紙ニューヨーク・タイムズは7月30日の社説で、カーン氏について「誰もが認める魅力的でカリスマ性のある人物だが、一貫性のない言動でも知られている」と指摘。カーン氏が政治風土を変えるためには「軍部がどれだけ裁量を与えるのか、巨額の債務をどう素早く対処できるか」などの多くの要素に左右されるとした。

 またカーン氏の政権運営がある程度成功すれば、「パキスタンの国民だけでなく、近隣国や債権国、また、イスラム系テロとの戦いでパキスタンと関係する米国にも利益をもたらす」とし、トランプ政権やインド、中国はカーン氏の強硬路線を緩和させることが「賢明」と説いた。(上塚真由)

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