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【環球異見・米露首脳会談】「実利主義」阻む米エリートと戦うトランプにプーチンがさしのべる救いの手 エクスペルト(ロシア)

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【環球異見・米露首脳会談】
「実利主義」阻む米エリートと戦うトランプにプーチンがさしのべる救いの手 エクスペルト(ロシア)

16日、フィンランド・ヘルシンキで会談し、握手するトランプ米大統領とプーチン露大統領(ロイター) 16日、フィンランド・ヘルシンキで会談し、握手するトランプ米大統領とプーチン露大統領(ロイター)

 16日にヘルシンキで行われた米露首脳会談で浮き彫りになった両国の接近に、各国が高い関心を寄せている。ロシア紙は、同国による支援がトランプ米政権にとって不可欠とする主張を展開。会談と前後して米国との亀裂が深まる欧州では、「米国抜き」の新たな安保体制構築を訴える論調も浮上する。一方、中国官製メディアは米露関係の分析に乗じ、トランプ氏の資質や米国の「覇権主義」への批判を強める。

エクスペルト(ロシア) 「実利主義」阻む米エリートと戦うトランプにプーチンがさしのべる救いの手

 トランプ米大統領はロシアと手を組み、米国の既成エリート層と戦うべきだ-。政権派のロシア週刊誌、エクスペルトは23日号の巻頭記事で米露首脳会談を取り上げ、国内で厳しい批判にさらされているトランプ氏にエールを送った。

 記事は自尊心たっぷりに切り出す。「プーチン露大統領は孤立していないばかりか、哀れなトランプ氏に救いの手を差しのべているように見える…ロシアとの協力なしに、トランプ氏が米国内で勝利を収めることはほぼ不可能だ」

 記事の筆者によれば、トランプ氏は何よりも「経済」を重視している実利主義者だ。トランプ氏がロシアからドイツへの天然ガス・パイプライン「ノルド・ストリーム2」敷設に反対しているのも、米国産シェールガスを欧州市場に売り込みたいためだ。

 米国のエリート層は「イデオロギー」や「価値観」にとらわれているがゆえに、トランプ氏に反発し、「ヒステリー」を起こしている。筆者はこう述べ、ロシアとしては「偽善者」たるエリート層よりも、「資本主義の猛獣」たるトランプ氏の方が話をつけやすいと論じる。

 記事は、シリア内戦をめぐって折り合いをつけることが、米露関係改善の突破口になると期待を寄せる。この内戦ではロシアやイランの支援するアサド政権軍が支配領域を広げ、米国などの後押しする反体制派の劣勢が色濃くなった。ロシアと手を組めば、シリア和平での一定の影響力を保ちつつ、面目を失わずに手を引ける-という。

 筆者は、戦略核兵器の問題では米露のみが世界のイニシアチブをとれると指摘。中国や欧州市場をにらんだエネルギー資源の輸出や米ドルの地位保全、サイバー安全保障についても、ロシアとの協力が有益だと主張する。米露の圧倒的な経済格差や米国の対露経済制裁をものともしない、自信満々の論調である。(モスクワ 遠藤良介)

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