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【サウジの変革】(下)閉塞感打破、保守層に配慮も 32歳の皇太子が主導するビジョン

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【サウジの変革】
(下)閉塞感打破、保守層に配慮も 32歳の皇太子が主導するビジョン

リヤド市街のビルの壁面に描かれたサルマン国王の肖像。市街地には国王とムハンマド皇太子の写真や肖像が多数掲げられている(佐藤貴生撮影) リヤド市街のビルの壁面に描かれたサルマン国王の肖像。市街地には国王とムハンマド皇太子の写真や肖像が多数掲げられている(佐藤貴生撮影)

 砂漠の産油国サウジアラビアで女性に禁じられてきたのは運転だけではない。

 結婚や就職、海外旅行などの際には、いまも夫や親類など男性の「後見人」の許可が必要だ。政府は6月に女性の運転を解禁する直前、この後見制度の廃止など女性のさらなる権利向上を訴える17人の活動家を一時拘束した。

 「政府の改革の枠を超える要求は許さない」というメッセージといえ、同時に聖職者や宗教保守層への配慮もにじむ。ムハンマド皇太子が主導する社会・経済改革「ビジョン2030」は、大胆にアクセルを踏むと同時にブレーキも利かせる微妙なバランスの上に成り立っている。

 底流にあるのは、多くのアラブ諸国に共通する急激な人口増加と、それに伴う若年層を中心とした閉塞(へいそく)感への危機意識だ。

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 2011年、中東・北アフリカで民主化要求デモが広がった「アラブの春」は、地域を混乱に陥れた。

 サウジと並ぶアラブの大国エジプトでは政権が崩壊し、シリアは内戦に突入。サウジの“裏庭”のイエメンやリビアでは武装勢力が跋扈(ばっこ)し、イスラム過激思想も拡散した。若年層が人口に占める割合が高いこれらの国では、就業機会が少ないといった若者らの不満が長期強権体制を直撃した。

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