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【サウジの変革】(中)レッドラインはどこに 改革に立ちふさがる戒律の壁

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【サウジの変革】
(中)レッドラインはどこに 改革に立ちふさがる戒律の壁

サウジアラビアの首都リヤドにある複合娯楽施設。女性の大半は黒いアバヤ姿で楽しんでいた(佐藤貴生撮影) サウジアラビアの首都リヤドにある複合娯楽施設。女性の大半は黒いアバヤ姿で楽しんでいた(佐藤貴生撮影)

 サウジアラビア西部ジッダの海岸沿いにあるオープンカフェ。男性の友人と談笑していた女性アニメーターのルジェインさん(24)は「ムハンマド皇太子は若者には変化が必要だと理解している。サウジ人の8割は変化を好まないと思うけど、彼はそんな古い世代と戦っている」と述べ、改革を称賛した。

 大胆な社会・経済改革「ビジョン2030」を掲げる皇太子は3月、「女性は必ずしも、黒いアバヤと頭を覆うスカーフを着用しなくてよい」と述べた。

 しかし、街で見かける成人女性たちは黒いアバヤを脱ごうとしていない。ジッダよりも保守的とされる首都リヤドの巨大な複合娯楽施設では、7~8割の女性は全身を黒ずくめの服で覆っていた。

 「みんな周囲の状況を見守っているのよ」。白くて丈の短いアバヤにズボンというスタイルのルジェインさんが言った。

 様子見をしているのは女性ばかりではない。皇太子をトップとする「汚職対策委員会」が昨年11月、横領などの疑いで有力王子や富豪ら380人以上を拘束した事件を受け、「国内の資産家が投資に臆病になっている」との見方を聞いた。

 当局は不正流用された不動産や現金のうち、約1070億ドル(約12兆円)相当を回収した。事件は、皇太子の改革に要する費用の出資をためらった者たちから、カネを取るのが目的だった-といった観測も欧米メディアでは出た。

 女性や資産家に共通する悩み。それは、政府が定める「レッドライン」(越えてはならない一線)が見えないことだ。

    ×  ×

 オイルマネーで潤うサウジだが、ここ数年は財政赤字が続いている。国庫収入の6~7割を原油輸出に依存する経済が油価の下落で打撃を受けた。2015年に軍事介入したイエメン内戦の戦費や損害も負担になっているとされる。

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