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イランがウラン濃縮増強を準備 IAEAに通告へ

イランのイスラム教シーア派最高指導者ハメネイ師=テヘラン(AP) イランのイスラム教シーア派最高指導者ハメネイ師=テヘラン(AP)

 【カイロ=佐藤貴生】イランの原子力エネルギー当局者は、5日からウラン濃縮の能力増強に向けた作業を開始する意向を表明した。ロイター通信によると、同日にも国際原子力機関(IAEA)に通告する。

 トランプ米政権が2015年に締結したイランとの核合意からの離脱を表明し、厳しい制裁を打ち出すなか、合意の維持を目指すとしている英仏独を牽制する狙いがある。12日に首脳会談が迫った米朝の間で信頼醸成が進む一方で、イランの核問題でも駆け引きが活発化している形だ。

 イランの通信社によると、当局者は「IAEAに書簡を提出し、5日から六フッ化ウランの製造能力を増強すると表明する」と述べた。六フッ化ウランは遠心分離機でウランを濃縮する際の主要な原料となる。

 イランは2015年締結の核合意で、遠心分離機の削減などウラン濃縮の能力制限に合意。しかし、イランのイスラム教シーア派最高指導者ハメネイ師は4日、英仏独が核合意を維持できない場合に備え、能力を増強する準備を進めるよう命じた。

 ハメネイ師は、イラン産原油の売買継続などを合意維持の条件に挙げているが、欧州企業では米国の経済制裁の対象になりかねないとして、イランとの取引続行に消極的な姿勢が目立っている。イランには今回の動きを通じ、こうした流れを食い止めるよう欧州各国の政府に求める狙いがありそうだ。

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