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北朝鮮の瀬取り、海自・海保監視も活動限界 

 北朝鮮の瀬取りという密輸取引に海上自衛隊と海上保安庁は昨年末から監視を始め、今年に入り4件の瀬取りの疑いがある事例を確認し公表している。国連安保理制裁決議の抜け穴をふさぐことに「一定の抑止効果」(政府高官)があるが、韓国船籍タンカーが瀬取りに関与した疑いが明らかとなり、根絶に至っていないことを示している。米英豪加の有志連合と監視網を強めるのもそのためだ。

 政府が瀬取りの疑いのある事例として公表したのは4件だが、北朝鮮が関与した可能性のある事例は数倍に上る。公表していないのは、北朝鮮船籍の船と相手の船が横付けしている写真などの明確な証拠を収集できなかったためだ。

 手口の巧妙化も進む。船の位置情報を発信する自動識別装置の電源を切るのは常套(じょうとう)手段で、船名を偽装した事例もあった。公表した4件のうち3件は上海の東約250キロの公海上で「瀬取り銀座」(同)と呼ばれる海域だったが、監視を避けるように北方へ現場を移していると指摘される。

 海自と海保は通常の警戒任務の一環で監視を行っており、活動には限界がある。補完のため4月28日にオーストラリア軍とカナダ軍の哨戒機が沖縄県の米軍嘉手納基地を拠点に監視を行うと発表され、東シナ海で米軍哨戒機とともに監視にあたっているという。英国軍も艦艇を展開させ、有志連合の枠組みが整った。

 そうした中で浮上した今回の事案。放置すれば制裁決議の実効性を損ないかねず、韓国政府には厳正な対処が求められる。

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