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【矢板明夫の中国点描】全人代で改憲に反対・棄権票 勇気ある「五君子」の運命やいかに

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【矢板明夫の中国点描】
全人代で改憲に反対・棄権票 勇気ある「五君子」の運命やいかに

11日、北京の人民大会堂で開会中の中国全人代で、憲法改正案に投票後、座席に向かう習近平国家主席 (手前中央、AP) 11日、北京の人民大会堂で開会中の中国全人代で、憲法改正案に投票後、座席に向かう習近平国家主席 (手前中央、AP)

 党関係者によれば、習近平指導部は今回の憲法改正は国内外から批判の声があることを知っており、批判を封じ込むために、全会一致で賛成という形にしたかったという。今年初めに各地で行われた全人代代表選挙で、共産党への忠誠が重要視され、メディアで政府の政策に苦言を呈するような学者や官僚は事前に候補から外し「できるだけイエスマンを集めた」という。

 にもかかわらず、投票で全会一致にならなかったことは、習氏にとって晴れ舞台で顔に泥を塗られた形だ。不満を抱いたに違いない。今後、投票者の特定を始める可能性もある。

 無記名投票とはいえ、当局がその気になれば、筆跡や投票順番、現場のビデオ映像などを調べて、投票者を特定することはそれほど難しくないだろう。実は前例がある。新中国建国直前に同じようなことがあった。1949年9月、北京で開かれた第1回政治協商会議で、新中国の初代中央政府主席の選挙に、絶対的な実力者、毛沢東が立候補した。投票の結果、575人が賛成し、反対が1人いた。

 党中央はすぐに“犯人捜し”を始めた。日本に留学経験があり、東京帝国大学などで学んだ著名な哲学者で清華大学教授の張東●(=くさかんむりに孫)氏が反対票を投じたことが判明した。張氏は共産党を支持する左派学者だが、毛沢東が主導するソ連追随外交政策が中国の国益につながらないと判断して、毛を支持しなかったという。

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