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【パリの窓】
「お前は提供精子で生まれた」父を探して…

 アルチュールさん(37)は幼少時、両親から「お前は提供精子で生まれた」と告げられた。「実の親」に会いたいという30年来の夢を執念でかなえた。DNA解析を行う米企業に昨年、唾液サンプルを送ったのが始まりだ。

 民間データベースで英国に親族がいると分かり、SNSで連絡を取った。フランスに遠縁の男性がおり、精子提供の経験があるという。自宅から車で1時間半の町に住んでいた。電話すると驚いたが、鑑定に応じてくれ、親子関係が判明した。一緒にサンプルを送った仲間の数人は、同じ提供者の精子で生まれた兄弟だと分かった。

 アルチュールさんは仲間と「実の親を知る権利」を求める会を作り、法制化を訴えてきた。「自分の体の半分が何者か分からない。遺伝病も不安。こんな思いを自分の子供に伝えたくない」という思いからだ。

 「人助けと思ったのに、生まれた子らが苦しんでいる」と知り、支援者になった提供者も多い。提供精子で生まれた子は国内に推計7万人いるという。

 フランスは提供者情報は非開示。欧州ではスウェーデンやドイツなど約10カ国が「出自を知る権利」を認めている。(三井美奈)

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