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【湯浅博の世界読解】アヘン戦争180年、屈辱晴らす中国の「帝国プロジェクト」とは 

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【湯浅博の世界読解】
アヘン戦争180年、屈辱晴らす中国の「帝国プロジェクト」とは 

 19世紀の英国が清国を攻めたアヘン戦争から180年近くたって、今度はその中国が、過去の屈辱を晴らすかのように「帝国のプロジェクト」を推進している。

 かつての帝国主義が、アヘンという毒を使って東方に砲艦外交を展開したように、中国は逆に南シナ海から西方へ「海のシルクロード」を延ばそうとしている。中国が使うのは19世紀の麻薬アヘンではなく、21世紀の巨額債務という“毒”である。

 インドの南にある島、スリランカは昨年末、戦略的な要衝であるハンバントタ港を正式に中国に引き渡した。それは、かつての英国が香港を99年にわたって借り受けたように、中国が99年の賃貸借契約を結んだ。この契約の中には、スリランカの債務から11億ドルを棒引きする約束までが含まれている。

 インド政策研究センターのブラーマ・チェラニー教授によると、中国のローン貸し付けは、商業的な価値よりも戦略的な価値の高い土地に着目しているという。このハンバントタ港はその典型で、中東とアジアを結ぶインド洋の要衝に位置している。

 それをチェラニー教授は「債務のワナ」と呼ぶ。はじめに中国がインフラ建設の資金を調達し、対象国が返済できなくなると、戦略的な価値をもつ当該国の港を借り受ける。スリランカに対しては1世紀に及ぶ租借になるから、ハンバントタ港は半永久的に中国の思うままになる。

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