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【国際情勢分析】日中専門家が本音バトル「東シナ海は平穏」「事実誤認だ」 3時間に及んだ安保議論

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【国際情勢分析】
日中専門家が本音バトル「東シナ海は平穏」「事実誤認だ」 3時間に及んだ安保議論

2017年12月16日、北京で開かれた「東京-北京フォーラム」の安全保障分科会。日中の有識者が激論を交わした 2017年12月16日、北京で開かれた「東京-北京フォーラム」の安全保障分科会。日中の有識者が激論を交わした

 朱成虎氏の意見は最も悲観的だ。「北朝鮮の核問題は、基本的には米国と北朝鮮の間の問題であり、日中両国の影響力には限りがある」と分析。「日米は中国に責任を押しつけ、中国が石油を禁輸すれば問題が解決すると思っているが、これは独りよがりな願望だ。米朝両国に問題解決に向けた誠意がなければ、われわれにできることはない」と言い切った。

 日本側に共通するのは、中国による対北制裁への本気度への疑念だ。中谷元・元防衛相は「今後のカギは中国が握っている」とした上で、圧力強化に向けて「原油供給の大幅削減まで含めた強い措置を中国がとらない限り、制裁の実効性は十分なものにはならない」とクギを刺し、「中国はなぜ制裁を徹底しないのか。残された時間が少なくなっている」と訴えた。

 一方、中国側の識者の間では、日本が「米国に追従しすぎている」との認識が広がっていた。日中双方に被害が大きい軍事力行使をなぜ認めるのか、というわけだ。姚氏は「日本は米国の選択を支持するとの立場を表明しているが、これは日本の政策の幅を狭め、望まない行動をとらざるを得なくなる可能性もある」と警告。朱成虎氏も「日本は自主意識を強める必要がある。なんでも他人(米国)についていくのはどうなのか。日本は大国であり自主独立の外交が必要だ。米国が北朝鮮を攻撃してもそれほど損失はないが、日本は災難から逃れられない」と主張した。

 米国が軍事力を行使した際の日本側の対応について徳地氏はこう言及した。

 「米国がいう『あらゆる選択肢』の中で、日本側が認めるのが非常に難しいのはプリベンティブ・アタック(予防的な先制攻撃)だろう。米国の中にも反対があるし、私も法的には否定的だ。だがすべての選択肢というぐらいの覚悟を明確にしておくこと、いざとなったら日米も一緒に戦う覚悟を示すことは必要だろう」

 「北朝鮮問題は米国と北朝鮮の問題であると同時に人類全体の問題だ」と指摘したのは香田氏だ。「仮に北の核が認められれば中東、南米で一気に核が拡散する」と警鐘を鳴らし、「24年かけても交渉では北の核開発を止められなかった。北の核武装という悪夢を考えたときに本当に交渉と外交圧力だけでいいのか。痛みを伴っても北をたたくという覚悟は必要ではないか」と訴えた。

 中谷氏は「米国は、やるときはやる国だ」と強調し、朝鮮半島での武力衝突という事態が実際に起こりうるとの見方を示した。

 「北朝鮮問題は核の拡散とともに、米国の安全保障という自衛の問題でもある。私は、しかるべきときに米国は決断をするという前提で物事を考えている」

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