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【ガンジスのほとりで】
若者のターバン離れ、そのワケは…

 インドには新年を派手に祝う習慣がなく、この時期になってもニューデリー市街で年の瀬の雰囲気はほとんど感じられない。必然的に忘年会もないのだが、インド人は年末年始に限らず頻繁にホームパーティーを開催する。食事はやはりカレーが中心で、宴は深夜まで続くのが常だ。

 12月に入って誘われたパーティーで、シーク教徒の若い男性と知り合った。日本人がインド人と聞いて思い浮かぶターバン姿は、インドの人口の2%ほどのシーク教徒のものだ。髪の毛を切ることが禁じられており、伸びた髪をまとめるためターバンを使用する。

 ところが、この若者はターバンを巻いておらず、さっぱりとした髪形だ。理由を聞けば「むれるから」だと話す。ターバン未経験の部外者にもわかりやすい理由だが、こうした“合理的”に考える若い層は増えているという。日本でも「若者の読書離れ」「自動車離れ」などが話題となるが、インドでターバン離れが進行中とは思わなかった。

 シンボルともいえるターバンを巻かなくなることは勇気がいると思うが、伝統も変容していくということだろう。その隣でヒンズー教徒の老人が「クリスマスを祝うヒンズー教徒がいる」とも嘆いていた。歳末のパーティー会場で、インドの宗教について考えさせられた。(森浩)

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