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【矢板明夫の中国点描】なぜか習近平国家主席が主導する「トイレ革命」、そこには毛沢東の影が 

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【矢板明夫の中国点描】
なぜか習近平国家主席が主導する「トイレ革命」、そこには毛沢東の影が 

11月30日、中国山東省青島市の観光地で、公衆トイレの掃除をする清掃員(ロイター) 11月30日、中国山東省青島市の観光地で、公衆トイレの掃除をする清掃員(ロイター)

 上海と深●(=土へんに川)の証券取引所で、便器などを製造するメーカーの株価は軒並み上昇し、大手、帝王潔具の株価は一時10%近く高騰した。

 中国の観光地や農村部などでは、定期清掃されていないトイレが多く、外国人観光客らの評判が悪い。習近平氏は会議で「トイレは決して小さな問題ではない。観光地だけでなく、農村部でもこうした大衆生活の品質の足りない部分を補っていくべきだ」と強調した。トイレをきれいにして、観光業の振興につなげたいほか、庶民の生活と直結する問題にも目を配る親しみやすい指導者を演出したい思惑もあると指摘される。

 習氏は以前から細かいことでよく指示を出すことで有名だ。2013年に軍を視察したときに節約の重要性を強調し「食材の切れ端を使って漬物を作れ」「余ったご飯をチャーハンにしなさい」などと具体的に指示したという。

 各地の地方政府は「習氏の指示」を重要視し、徹底的に実施するが、一般市民の間で冷ややかな反応を示す人が多い。北京の改革派知識人は「景気低迷、医療費の高騰、出稼ぎ労働者の子供が教育を受けられない問題など、国のトップとして対処しなければならないことは山ほどあるのに、なぜトイレなのか」と首をかしげた。その上で、「経済が発展して、市民生活が豊かになれば、みんながきれいなトイレを使いたくなる。そのとき、指導者に言われなくても掃除する」と話した。

 また、トップダウン方式で社会運動を起こすことは、指導者への個人崇拝を助長すると警戒する声もある。

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