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【ポトマック通信】
焼き鳥店をめぐる“非関税障壁”

 あのナイアガラの滝に隣接するニューヨーク州バファローは、米国人のビールの友、「バファローウイング」の発祥の地だ。素揚げの鶏の手羽先を唐辛子ソースの入った調味液であえたもので、1964年に市内の「アンカー・バー」という店で誕生したというのが定説となっている。

 たまたま出張でバファローに降り立つ機会があり、「生誕の地」でその味を試してみた。確かにうまい。だが一方で、これならば名古屋風手羽先や焼き鳥などの日本勢も十分に米国で勝負できると感じた。

 ところが、日本の焼き鳥の味に魅せられ、ワシントンで庶民的な焼き鳥居酒屋を開こうとした米国人の知人に聞いたら、ことはそう簡単ではなかった。

 まず、客前で火を使う際は厳重な防火装置を備えたコンロの導入が義務づけられる。また、生肉をさばくスペースは全てステンレス張りと決められている。数々の規制をクリアするには初期投資が軽く1億円を突破することが分かり、開店をあきらめたという。

 米国ですしやラーメンの店は増えたのに、安くてうまい焼き鳥店は一向に出てこない。その原因が防災や衛生を盾とする規制にあるとすれば、トランプ大統領が言う「公平な競争」の観点から、こうした「非関税障壁」は撤廃されるべきではないか。(黒瀬悦成)

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