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【拉致40年 めぐみさんを救え(3)】「今、どこにいるのか」 所在地情報が解放の鍵

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【拉致40年 めぐみさんを救え(3)】
「今、どこにいるのか」 所在地情報が解放の鍵

辛光洙容疑者は韓国で摘発され服役。2000年の恩赦で北朝鮮に送還され英雄とたたえられている 辛光洙容疑者は韓国で摘発され服役。2000年の恩赦で北朝鮮に送還され英雄とたたえられている

 「めぐみさんと共同生活をしていたとき、辛(シン)は『横田めぐみを拉致して連れてきたのは私だ』といった内容を話したのです」

 横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=と北朝鮮の招待所で一時同居していた、帰国した拉致被害者、曽我ひとみさん(58)は、複数回にわたる警察当局の聴取にこんな証言をしたことがある。

 「辛」とは、大阪市の中華料理店員、原敕晁(はら・ただあき)さん(81)=同(43)=を北朝鮮に拉致し、原さんに成りすましてスパイ活動を行った北朝鮮工作員、辛光洙(グァンス)容疑者(88)だ。原さん事件のほか、帰国した被害者、地村保志さん(62)、富貴恵さん(62)夫妻の拉致事件でも国際手配されている。

 警察当局は帰国した被害者5人に順次、事情聴取への協力を要請。辛容疑者の拉致での役割や北朝鮮で被害者の教育係をしていた実態などについての証言を受け捜査上は国際手配という“成果”を得ていた。そうした中、めぐみさん事件でも実行犯の逮捕状を請求するチャンスがめぐってきた。

 捜査当局は証言に大きな関心を寄せたが、「なぜ、辛容疑者は曽我さんに白状したのか」という疑問が残った。さらに曽我さんの別の証言が逮捕状請求を躊躇(ちゅうちょ)させる。曽我さんは別の招待所で初めて辛容疑者に会っためぐみさんの様子に触れ、「態度や表情に変化はなかった」とも話した。

 自分を拉致した男と再会した少女が、取り乱さずにいられるか-。めぐみさん事件は発生から40年が過ぎても、いまだに実行犯の逮捕状取得に至っていない。

 曽我さんの証言を疑っているのではない。北朝鮮は拉致被害者に対してさえ、幾十(いくそ)ものわなを仕掛けている可能性がある。

 警察庁元幹部は「拉致事件解明の困難さを改めて痛感した」と語った。事件の捜査は事実上、止まっている。

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