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【拉致40年 めぐみさんを救え(1)】老いる父…誕生日に「あの日」を重ね  

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【拉致40年 めぐみさんを救え(1)】
老いる父…誕生日に「あの日」を重ね  

横田めぐみさん拉致事件から40年を前に取材に応じる父、滋さんと母、早紀江さん=川崎市(中村将撮影) 横田めぐみさん拉致事件から40年を前に取材に応じる父、滋さんと母、早紀江さん=川崎市(中村将撮影)

 あれから、さらに20年。「早くめぐみさんに会いたいですね」と尋ねると、滋さんは「そうですね」としみじみ語った。早紀江さんが「ディズニーランドに一緒に行きたいのよね」と語りかけると、大きくうなずいた。東京ディズニーランドの開園はめぐみさんの事件の後だった。「写真もいっぱい撮りたいよね」と早紀江さんが続ける。今度は「うん」と声に出した。

 突っ伏しそうな姿勢だった滋さんが突然背筋を伸ばし、思いだしたように語り始めた。「この前、一枚一枚(めぐみさんと家族の写真を)整理した」。また柔和な表情になった。

 滋さんはめぐみさんを迎えるために闘っている。「拉致問題は解決ずみ」とうそぶく北朝鮮への怒りが込み上げる。壮絶な半生を経た滋さんの今のありのままの姿が、拉致の非道さを浮き彫りにし、被害者と家族の悲痛な声を国民にも突きつける。

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 《父 横田滋》《母 横田早紀江》。こう書かれたたすきを肩から斜めに下げて、2人は街頭に立った。真夏でも、真冬でも、コツコツと署名を集めた。初めて新潟市の街頭に立った平成9年春、横田夫妻はすでに60代だった。めぐみさん救出を訴える全国各地での講演も1300回を超えた。スケジュール帳はいつも救出運動の予定で埋め尽くされていた。だが、数年前から、滋さんと早紀江さんが公の場に立つ機会は激減した。老いや病には逆らえない。

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