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【拉致40年 めぐみさんを救え(1)】老いる父…誕生日に「あの日」を重ね  

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【拉致40年 めぐみさんを救え(1)】
老いる父…誕生日に「あの日」を重ね  

横田めぐみさん拉致事件から40年を前に取材に応じる父、滋さんと母、早紀江さん=川崎市(中村将撮影) 横田めぐみさん拉致事件から40年を前に取材に応じる父、滋さんと母、早紀江さん=川崎市(中村将撮影)

 両脇を支えられ、ゆっくり杖をついて現れた。うつろな視線。ひとりで歩くのもままならない。「お久しぶりです」と声をかけると、顔をあげた。柔和な表情を浮かべる。「ああ…、ごぶさたしています」。口ごもりながらも、あいさつを返してくれた。

 腰掛けるにも介助が必要だった。髪は真っ白になって久しい。会話中でもしばしば目をつぶり、突っ伏しそうになる。「お父さん、起きてください」。妻の声にうなずく。強い薬の影響もあって、体調が悪い日は時々、意識が混濁する。

 みな老いる。病みつく。14日で85歳になった。この1年で体は急に言うことをきかなくなった。字が書けない。言葉が出ない。「こんなふうになるなんてね」。横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=の父、滋さんのとなりに座る母、早紀江さん(81)はそうつぶやいた。

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 「これからはおしゃれに気をつけてね」。40年前の滋さんの誕生日。中学1年だっためぐみさんは小遣いからこげ茶の携帯用の櫛を買い、滋さんにプレゼントした。家族で囲んだ秋の夜の食卓は温かかった。

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