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EU、防衛協力へ新体制 英国離脱で議論加速

EUの外相理事会=13日、ブリュッセル(ロイター) EUの外相理事会=13日、ブリュッセル(ロイター)

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)は13日、外相理事会をブリュッセルで開き、EU内の防衛協力拡大を図る新体制「常設軍事協力枠組み」(PESCO)創設に向けた文書に署名した。有志の加盟国間で防衛協力を進めやすくするのが狙い。防衛分野の一段の統合深化につながるか注目される。

 EUの共通外交・安全保障政策は全会一致が必要だが、EU基本条約「リスボン条約」は意欲的な加盟国だけで軍事協力を拡大できるとも定める。防衛分野の統合に慎重だった英国の離脱決定などを受け、仏独が主導し、この規定を初めて活用する議論が加速した。

 13日の署名式では英国やデンマークなどを除く、23カ国の外相と国防相がPESCOへの参加意思を表明する文書に署名し、モゲリーニ外交安全保障上級代表に提出した。参加国は防衛支出拡大なども確約。次回理事会でPESCO発足を正式に決定し、来月のEU首脳会議で始動させる。

 協力の具体策としては装備の調達や研究開発、兵站拠点の設置、共同の軍事訓練などが検討されており、仏独が計画中の戦闘機開発も含まれる可能性がある。英離脱を念頭にEU以外の国の参加も可能とする。

 ロシアの脅威が増し、対米関係にも不透明感が残る中、EUは加盟国の協力を通じた効率化で防衛力の向上を目指しており、モゲリーニ氏は13日、「欧州防衛の新たな一章が始まる」と歓迎した。

 一方、少数国で域外派兵も含む野心的な協力を目指すフランスに対し、ドイツは加盟国の広範な協力を重視しており、その効果に慎重な見方もある。

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