産経ニュース

【湯浅博の世界読解】トランプ氏のアジア歴訪 安倍首相は北をめぐる米中妥協にクサビを

ニュース 国際

記事詳細

更新

【湯浅博の世界読解】
トランプ氏のアジア歴訪 安倍首相は北をめぐる米中妥協にクサビを

トランプ米大統領(ゲッティ=共同) トランプ米大統領(ゲッティ=共同)

 中国の習近平国家主席は、長い演説で人民解放軍を「今世紀半ばまでに世界一流の軍にする」と啖呵(たんか)を切った。3時間20分超という演説の長さは独裁のバロメーターである。さすがにキューバのカストロ議長やソ連のフルシチョフ首相に及ばないが、中国を「強国」「大国」にするとの大風呂敷を26回も広げた。

 米紙のコラムニスト、アンドリュー・ブラウン氏はこれを「毛沢東で起(た)ち、トウ小平で繁栄し、習近平で強大になるという自己解釈だろう」と皮肉った。その中華強国の目標は、21世紀半ばに至って世界に君臨することである。

 演説はその勢いのままに、南シナ海の人工島建設を強調し、軍の戦闘力強化を宣言しているから、災いはアジアの近隣諸国に及ぶ。米国を西太平洋から追い出し、中華世界を構築するという帝国主義への衝動である。

 そうしたタイミングで米国のトランプ大統領が、11月5日から日本をはじめ韓中越比のアジア5カ国を訪問する。大統領のアジア歴訪の課題は主に2つ。北朝鮮の核とミサイルの脅威への対処と、海洋強国を目指す中国の軍事的野心への対応である。

 米誌ニューズウィークは、ホワイトハウスが大統領のアジア歴訪に先駆けて、キッシンジャー元国務長官を招き、米中国交正常化交渉に匹敵する中国との大胆な交渉戦術を練り上げた可能性を伝えた。北が核プログラムを放棄する代わりに、経済支援、在韓米軍の削減に至るとんでもない譲歩だという。

続きを読む

「ニュース」のランキング