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【映画深層】貴重な建物の修復の一助に 「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」

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【映画深層】
貴重な建物の修復の一助に 「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」

映画「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」の1場面(C)2014 EG Film Productions / Saga Film(C)Julian Lennon 2014. All rights reserved. 映画「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」の1場面(C)2014 EG Film Productions / Saga Film(C)Julian Lennon 2014. All rights reserved.

 逆に映画に使われたことで予期せぬ恩恵もあった。庭のタイルは撮影前、建てられた当時とは違うものになっていたが、映画で撮影するためにオリジナルのタイルに戻されたという。

 「オリジナルのタイルは別の場所に保管されていたが、映画に撮るということで予算が出て、元の場所に戻すことができた。今年の6月に訪れたら、ちゃんと元のタイルに戻ったままでした」とうれしそうに語る。

競争しながらも尊敬し合う関係

 戦後、E.1027は荒れ果てるが、買い戻そうと奔走したのは、グレイと仲違いしたル・コルビュジエだった。映画でもその微妙な心情が描かれるが、ゴフさんは「2人は競争しながら、お互いに尊敬し合っていたと思う」と解説する。

 グレイは建築家だけでなくインテリアデザイナーとしても知られ、家具も家も住む人に合わせて作るということを信条にしていた。ゴフさんによると、ル・コルビュジエが母親のために建てたスイスにある「レマン湖の小さな家」は、まさにそのグレイの哲学を実践したものだという。

 「助言者という言葉が合っているかどうかはわからないが、ル・コルビュジエは『レマン湖の小さな家』や『サヴォア邸』といった自分の作品の設計図をグレイに渡していて、彼女は時折それを見ては建築の構想を練っていた。グレイは98歳でこの世を去りますが、彼女のめいによると、ル・コルビュジエの仕事は晩年まで気にしていて、『マルセイユのユニテ・ダビタシオン』は好きだけど、『ロンシャン礼拝堂』は好きになれない、などと言っていたようですね」

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