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「拉致」埋没許されない 日朝会談から15年 国際環境激変

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「拉致」埋没許されない 日朝会談から15年 国際環境激変

日朝首脳会談で横田めぐみさんが死亡と伝えられた直後の会見で、早紀江さんは救出をあきらめない思いを語り滋さんは涙に暮れた=平成14年9月17日、国会内 日朝首脳会談で横田めぐみさんが死亡と伝えられた直後の会見で、早紀江さんは救出をあきらめない思いを語り滋さんは涙に暮れた=平成14年9月17日、国会内

 15年という年月は、北朝鮮に核や弾道ミサイル開発の時間も与えた。北朝鮮はこの間に6回の核実験を強行し、2発の中距離弾道ミサイルが襟裳岬上空を通過して太平洋に落ちた。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は先月29日のミサイル発射について「軍事作戦の第一歩だ」と強弁。その後も太平洋に継続発射すると恫喝(どうかつ)した。拉致問題をめぐる情勢は、核・ミサイル問題同様、北朝鮮が議論を狡猾(こうかつ)に先送りし、当事国の日本が有効策を打てない間に激変し、北朝鮮が周囲を振り回す構図となった。

 「拉致問題がますます隅に追いやられるのが心配で、厳しい局面だ」

 中距離弾道ミサイルが2度目に襟裳岬上空を通過した15日朝、取材に答えた市川修一さん(62)=同(23)=の兄、健一さん(72)の言葉には、率直な不安がにじむ。

 一方で、市川さんは「私たち家族は絶対あきらめずに訴え続ける。政府も全力で取り組んでいただきたい」と宣言。15年で家族は別の意味で強くなった。

 北朝鮮の暴挙は体制崩壊まで続く可能性がある。政府は被害者救出の道筋をどのように描き、核・ミサイルをめぐる議論に拉致問題を押し込むのか。国際情勢の中に埋没させることは許されない。家族はその方策を求めている。(加藤達也)

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