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【湯浅博の世界読解】対北朝鮮制裁は本当に「過去最大」だったのか? 中国は時間稼ぎに成功した

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【湯浅博の世界読解】
対北朝鮮制裁は本当に「過去最大」だったのか? 中国は時間稼ぎに成功した

トランプ米大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(いずれもロイター=共同) トランプ米大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(いずれもロイター=共同)

 国連安全保障理事会が採択した対北朝鮮制裁決議は、トランプ米大統領がツイッターで「対北朝鮮で過去最大の経済制裁だ」と称賛するほどの出来だったろうか。中国は、石油と金融のより厳しい「二次制裁」を押し返している。しかも、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)一族を打倒する米国内の「体制転換」論をかわして、時間稼ぎに成功した。

 中国とロシアはこれまで、北朝鮮が核・ミサイル実験をやめる代わりに、米韓が軍事演習を中止すべきだと本末転倒の提案をしてきた。特に中国は、国連決議の枠組みを超える対北制裁は「半島情勢の緊張をエスカレートさせる」として、自らに負わされる制裁をかわそうとした。

 今回の決議採択はその延長上にある。中露が一部譲歩しつつも、決議には随所に制約を埋め込んだ形跡の“指紋”が残る。むしろ、トランプ政権の軍事オプションを、安保理決議の中に閉じ込めようとしたのではないか。

 なぜか。トランプ政権内では、北の核開発が止まらない閉塞(へいそく)感から、ポンペオ米中央情報局(CIA)長官が7月のアスペン安全保障フォーラムで、北の体制転換を目指すことを検討していると示唆した。半島の非核化で重要なのは、「核の能力と、開発の意図をもつ人物を、引き離すことだ」と述べ、金正恩体制の転換に触れていた。

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