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【加藤達也の虎穴に入らずんば】歴史戦を1人で戦う元自衛官

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【加藤達也の虎穴に入らずんば】
歴史戦を1人で戦う元自衛官

ソウルで会見する奥茂治氏=4日(桜井紀雄撮影) ソウルで会見する奥茂治氏=4日(桜井紀雄撮影)

 韓国で出国禁止となっている元自衛官、奥茂治氏(69)の滞在は40日を超えた。奥氏は6月24日に那覇を出発、仁川に到着直後、捜査員に手錠をかけられて忠清南道天安市の警察に連行された。

 “韓国での出国禁止と検察取り調べの体験者”としての縁もあり、筆者は出発前から奥氏に話を聞いてきた。数日前の国際電話では「辛い食べ物で最近少し腹を下したが健康はおおむね良好」と話していた。

 奥氏は検察の呼び出しがあれば出頭するが、それ以外は1泊約5千円のホテルで暮らす。宿の経営者やコックらに日本風のカレーライスを振る舞って大受けするなど“日韓交流”にも一役買っている。

 ただ、カレーに舌鼓を打つ韓国人も平成27年12月、安倍晋三首相が元慰安婦に対する謝罪を表明した上で日本政府が10億円を拠出し、慰安婦問題の解決へ向け日韓両政府が、最終的かつ不可逆的に合意したことや、奥氏がなぜ碑文を変更し、捜査を受けているかについて、まったく知らなかったという。

 ほとんどの韓国人は慰安婦問題について日本の責任を追及する材料としてのみ、意味を見いだす。日本側がどのような努力をしているか、韓国側にどのような義務や問題点があるかには関心がない。そもそもメディアも政府もそんな発展的な観点でものを見たり、伝えたりすることに消極的だからだが、奥氏の体験もそれを裏打ちするものだろう。

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 奥氏に対する捜査状況は興味深い展開となっている。容疑は天安市の国立墓地にある石碑の上に新たな石板を張り付けたことによる公用物損壊と、無断で墓地に立ち入った不法侵入だ。奥氏は行為については自ら行ったと認めた上で、処罰に当たらないと主張している。

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