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【緊迫・南シナ海】仲裁裁定から1年 比の配慮につけ込む中国 「棚上げ」で軍事拠点着々

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【緊迫・南シナ海】
仲裁裁定から1年 比の配慮につけ込む中国 「棚上げ」で軍事拠点着々

中国が人工島を造成した南シナ海のスービ礁=2016年11月撮影(デジタルグローブ・ゲッティ=共同) 中国が人工島を造成した南シナ海のスービ礁=2016年11月撮影(デジタルグローブ・ゲッティ=共同)

 【マニラ=吉村英輝】中国による南シナ海での主権主張を全面的に否定した、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の裁定から、12日で1年となった。だが、提訴して完全勝訴したフィリピンでは、公式行事は行われなかった。裁定の「棚上げ」に応じたドゥテルテ政権が、中国に“配慮”しているためだ。一方、中国は南シナ海の軍事拠点化を着々と進めており、専門家らは危機感を強めている。

 フィリピン政府は12日、仲裁裁定1年の声明を出し、大統領が地域の平和と安定を重視して「健全な対話環境」を導いた、と主張した。ドゥテルテ氏の外交姿勢により、経済的な利益がもたらされたとも強調。裁定「棚上げ」の見返りに中国から得た、巨額支援を意味するのは明白だ。

 フィリピンは、排他的経済水域(EEZ)内のスカボロー礁(中国名・黄岩島)が2012年に中国に実効支配されたことを受け、南シナ海での中国の主権主張は国際法に反すると、13年に提訴した。中国が南シナ海のほぼ全域で歴史的な管轄権を主張する根拠としている「九段線」も否定する裁定が下り、国中が歓喜に包まれた。

 だが、裁定には強制力はない。国際社会の包囲網が狭まるなか、中国は巻き返しの攻勢を強化。ドゥテルテ氏は昨年10月に訪中して習近平国家主席と初会談し、南シナ海問題の二国間協議解決に路線転換した。

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