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【湯浅博の世界読解】「トゥキュディデスの罠」のワナ 米中戦争は起きるのか?

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【湯浅博の世界読解】
「トゥキュディデスの罠」のワナ 米中戦争は起きるのか?

G20全体会合に臨む中国の習近平国家主席(左)とトランプ米大統領=7日、ドイツ・ハンブルク(代表撮影・共同) G20全体会合に臨む中国の習近平国家主席(左)とトランプ米大統領=7日、ドイツ・ハンブルク(代表撮影・共同)

 アリソン教授によれば、新興大国には尊厳を勝ち取りたいとの「台頭国家症候群」があり、既存の大国には衰退を意識する「支配国家症候群」が、国際会議などで表面化する。さきにドイツで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議では、中国の習近平主席が「高まるうぬぼれから影響力の増大をはかった」し、トランプ大統領は台頭する中国を「恩知らずで危険な存在とすら見なす」傾向がみられた。

 トランプ大統領は4月の米中首脳会談以来、中国に対して北の核開発停止への圧力を期待したが、必ずしも思わしくない。トランプ政権はまもなく、南シナ海の人工島近くで「航行の自由」作戦を再開し、台湾に大型武器を売却、北と取引のある中国企業2社と人物に制裁を発動した。

 アリソン教授の提起に対して、米誌で賛否が巻き起こった。こうした論議も含めて、米国には中国の台頭によって生じた「構造的なストレス」から、偶発戦争を引き起こしかねないとの懸念がある。日本は米中衝突の最前線にあり、「トゥキュディデスの罠」がもつワナに落ち込まぬよう万全の備えを怠るべきではない。(東京特派員)

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