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【環球異見・カタール断交】汎アラブ紙・アッシャルクルアウサト「サウジの要求のむか、孤立か」二者択一を迫る

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【環球異見・カタール断交】
汎アラブ紙・アッシャルクルアウサト「サウジの要求のむか、孤立か」二者択一を迫る

 サウジアラビア資本の汎アラブ紙、アッシャルクルアウサト(電子版)は13日付で、「カタールの危機の解決策は2つしかない」とする論評記事を掲載した。2つの策とは、テロ組織や反体制派と縁を切るよう求めるサウジなどの要求を「完全にのむか」、それとも「周辺国から孤立したままで生きていくか」だ。カタールに二者択一を迫る厳しい内容といえる。

 論評は、カタールの国防相だったハマド皇太子が父、ハリファ首長の外遊中に無血宮廷クーデターで政権を奪取した1995年から説き起こす。バーレーンとの間で90年代前半に起きた小島の領有権の問題で、ハマド新首長はサウジの調停を拒否。サウジとの間で起きた領土問題でも、ムバラク・エジプト大統領(当時)の仲介でいったん和解していたのに、国境画定が2001年までもつれた経緯を振り返った。

 サウジとカタールの冷たい関係は今に始まったことではない。そう示唆した上で論評は、「度重なる和解にもかかわらず、カタールはサウジやバーレーンの政権転覆を狙う反体制派を支援し、資金を提供し続けた」と非難した。さらに、2011年の民主化政変「アラブの春」の後はアラブ首長国連邦(UAE)でも反体制派の側に立ち、エジプトでも政権転覆を図る組織に肩入れしたと指摘した。

 論評は、これらの国々は「カタールなしでも平和にやっていける」と強調する。そして、カタールがサウジなどの政権批判は控えるといいながら、衛星テレビ局アルジャジーラなどにより批判を続けてきたと指摘する。

 同紙は14日付の記事でも、地域の各国は共存しようとしてきたが、「忍耐には限界がある」とカタールに対する脅しとも取れる文言を用いた。大国サウジと、国境を接する小国カタール。イスラム教スンニ派の君主制という“兄弟国”同士の対立は、過去の経緯をふまえれば意外と根が深いようにみえてくる。(カイロ 佐藤貴生)

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