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【主張】
パリ銃撃テロ 民主主義への挑戦許すな

 パリ中心部のシャンゼリゼ通りで、男がパトカーを銃撃し、警察官らが死傷した。男は銃撃戦の末、射殺された。

 凱旋(がいせん)門を背景にフランス人が「最も美しい通り」と呼ぶパリ随一の観光地は騒然とした。観光客や買い物客が逃げ惑い、警察、救急車両が道路を埋め尽くした。

 繁華街で凶行を起こし、人々を恐怖に陥れる。卑劣なテロはどんな理由であれ容認できない。

 なにより、仏大統領選に照準を合わせたかのような犯行は許し難い。民主主義に対する暴力をはねのけてもらいたい。

 男は情報当局の監視対象だったといい、過激組織「イスラム国」(IS)はインターネット上で犯行声明を出した。

 捜査当局は全力を挙げ、犯行の動機や共犯者の有無、ISとのつながりなど背後関係を早急に解明してもらいたい。

 2015年11月のパリ同時多発テロ直後から、フランスは非常事態宣言下にある。厳戒態勢下で、なぜ凶行が可能だったのか。徹底した検証も必要だろう。

 仏大統領選は23日の第1回投票で、過半数を獲得する候補者はないとみられており、5月7日の決選投票に向かえば、さらに2週間の選挙戦が繰り広げられる。

 最後まで、自由な議論を戦わせ続ける。それがテロに屈しないことの証しである。テロの企てに対し、一層の警戒が必要なのは言うまでもない。

 欧州の一部では、反イスラムや排外主義的主張が叫ばれ、テロそのものが仏大統領選の主要争点の一つにもなっている。

 重要なのは、テロとの戦いをやめることはできないし、フランス一国でなし得るのは難しいことである。国際社会として取り組みを続けなければならない。

 テロ事件の背後にいるイラクとシリアのIS本体に対しては、米主導の有志連合などによる掃討戦が大詰めを迎えつつある。

 米国は、マティス国防長官のサウジアラビアなど中東諸国歴訪を通じ、地域での対テロ連携を確認した。アフガニスタンのIS地下施設を、通常兵器としては最大破壊力の爆弾で攻撃した。

 新たなテロとの戦いに歩みを進めているといえよう。フランスはじめ欧州各国がどうするのか、世界は注目している。日本も傍観者ではいられない。

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