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【国際情勢分析】米国の「一つの中国」政策継続に「ほっと一息」の台湾の苦境 米中台の三角関係で選択肢乏しい現実

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【国際情勢分析】
米国の「一つの中国」政策継続に「ほっと一息」の台湾の苦境 米中台の三角関係で選択肢乏しい現実

米中台の三角関係の将来は-。左から台湾の蔡英文総統、トランプ米大統領、中国の習近平国家主席(AP) 米中台の三角関係の将来は-。左から台湾の蔡英文総統、トランプ米大統領、中国の習近平国家主席(AP)

 2014年春の「ヒマワリ学生運動」の指導者、林飛帆氏らは昨年12月の米台電話協議の直後、ワシントン・ポストに寄稿。トランプ氏に批判的な米国メディアの論調に対し、電話協議は「一つの中国」政策という「不健康で時代遅れの外交慣例を見直す機会になった」と反論した。ただ、「天然独(生まれつきの台湾独立派)」と呼ばれる林氏らですら「電話一本で台湾の外交的な苦境は変えられない」と“もの分かりの良さ”を発揮している。

 台湾の師範大学の范世平教授は新新聞の記事で、中国の習主席は今年秋の第19回共産党大会後には、中台関係を「冷処理(そっけない対応)」するわけにはいかなくなるだろうとの見方を示している。台湾では散見される観測で、習氏は党大会で政権基盤を固めるまでは対台湾政策で譲歩したくても譲歩できない-という論理だ。だがここでも、共産党内部の権力闘争に台湾が関与できる余地はほとんどない。

 蔡政権の一連の対応は、米中台の三角関係で、台湾が影響力を発揮できる策が極めて少ないことを、政権自体が半ばあきらめとともに自認しているかのようであり、台湾の苦境を如実に表しているといえる。

(台北支局 田中靖人)

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