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【ロシア革命100年(下)】プーチン氏のプロパガンダ 帝政とソ連、貫かれた過去の美化と欧米敵視  

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【ロシア革命100年(下)】
プーチン氏のプロパガンダ 帝政とソ連、貫かれた過去の美化と欧米敵視  

モスクワで昨年10月、スターリン時代の弾圧犠牲者の氏名を読み上げるイベントに参加した市民(遠藤良介撮影) モスクワで昨年10月、スターリン時代の弾圧犠牲者の氏名を読み上げるイベントに参加した市民(遠藤良介撮影)

 独裁者スターリンの名も、共産主義イデオロギーも出てこない。ただ祖国を守るために、訓練をこなし、冬の過酷な環境でナチス・ドイツの戦車部隊に挑む模様だけが描かれている-。

 昨年のロシア映画で興行収入4位だった「パンフィロフツィ28」。第二次大戦中の1941年11月、モスクワ郊外でドイツ軍を食い止めたとされるパンフィロフ部隊28人を題材とし、制作費の3分の1がロシアとカザフスタンの国費で補助された。

 当時の新聞記事から広がり、ソ連の学校教科書にも載っていた同部隊の逸話。ソ連崩壊後には、これが史実とは全く異なり、戦闘に参加していたのが実際は1万人近くに上ったことなどが判明した。それでも、メジンスキー文化相は「たとえ完全な作り話だったとしても、聖なる神話として手を触れるべきでない」と悪びれる様子はない。

 プーチン露大統領は昨年12月、「ロシア革命100年」について、「歴史の教訓は、何よりも和解のために必要だ」と年次教書演説で述べた。

 帝政ロシア、ロシア革命、ソ連、ソ連崩壊-とジグザグの歴史を歩んできたロシア。来年3月に大統領選を控えるプーチン政権は、帝政の“背骨”だったロシア正教や大戦での勝利を国民の結束に利用し、政権への支持につなげる思惑だ。目指しているのは「帝政とソ連のハイブリッド」といえる歴史認識で、ソ連時代さながらのプロパガンダにも躊躇(ちゅうちょ)しない。

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