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【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】長引くほど北に有利な対マレーシア人質外交 正男氏殺害容疑者とマレー外交官の「交換」攻防の行方

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【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】
長引くほど北に有利な対マレーシア人質外交 正男氏殺害容疑者とマレー外交官の「交換」攻防の行方

15日、在クアラルンプール北朝鮮大使館から出てくる北朝鮮人ら。金正男氏殺害事件の容疑者がかくまわれているとの見方がある(AP) 15日、在クアラルンプール北朝鮮大使館から出てくる北朝鮮人ら。金正男氏殺害事件の容疑者がかくまわれているとの見方がある(AP)

 主犯格のヒョン容疑者は外交官として入国しているため外交特権で逮捕を免れる口実がある。また、マレーシア当局のこれまでの調べては容疑者2人と実行犯の女性2人の“接点”が見つかっていない。このため、交渉次第で2人にマレーシア側による事情聴取が行われたとしても全面否定はほぼ確実視されている。

 マレーシアには現在、北朝鮮籍の労働者などが約300人いるが、労働者らは労働許可の期限に基づいて送還される見通しで、人質交換は事実上、マレーシアの9人VS北朝鮮の容疑者2人-。しかし、マレーシア側の条件は厳しい。

 北朝鮮にとどまっている外交官と家族9人はいわば敵地での軟禁状態で長期化を避けたいところ。アニファ外相は交渉について「9人の安全が最優先だ」と述べている。マレーシア側の足元を見ている北朝鮮側は『2等書記官と航空会社職員の無条件開放』(マレーシア・メディア)を要求しているとされる。

 金正男暗殺事件でマレーシアが特定した北朝鮮籍の容疑者は8人。うち4人が犯行当日に出国、残る4人のうち逮捕された1人も取り調べ後にすでに出国、1人は行方不明で残るのは大使館の2人だけだ。この2人を交換で返してしまえば手がかりは消えてしまう。交渉の停滞は事件の真相解明の困難さとともに、マレーシアの人質奪還交渉にも北朝鮮に有利に傾きつつある。

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