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【ヤルタ密約秘話】「当初から有効性に疑問 英国の立場を示す」 京都大学名誉教授 中西輝政氏

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【ヤルタ密約秘話】
「当初から有効性に疑問 英国の立場を示す」 京都大学名誉教授 中西輝政氏

京都大学名誉教授・中西輝政氏(恵守乾撮影) 京都大学名誉教授・中西輝政氏(恵守乾撮影)

 ヤルタ密約を結んだ3カ国の一つである英国は冷戦時代、フランスとともにソ連との正面衝突を回避するため、ヤルタ協定に対する立場を鮮明にしてこなかった。終戦から約半年後の46年2月、「密約」公表直前に英外務省が全在外公館にあてた公電は、内閣の了解を経た英国の公式な立場を示すものだ。公電は領土移転の署名をしたルーズベルト大統領が米国の大統領権限を越えていることや、米議会の批准もない状況下での有効性について疑念を示しており、英政府が当初からヤルタ密約の法的な有効性に疑問を抱いていたことがうかがえる。公電で疑問を呈した通り、数年後にアイゼンハワー政権が「密約」を無効とした米国と同様に英国が有効性を事実上否定していたことがわかり、北方4島の主権を主張するロシア側は一層法的根拠を失うことになるだろう。

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