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【正論】トランプ当選にみる米メディアの失態 建前の押しつけが米国民の反感を呼んだ 東京大学名誉教授・平川祐弘

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【正論】
トランプ当選にみる米メディアの失態 建前の押しつけが米国民の反感を呼んだ 東京大学名誉教授・平川祐弘

平川祐弘・東京大学名誉教授 平川祐弘・東京大学名誉教授

 選挙結果が判明するや『ニューヨーク・タイムズ』は「トランプ氏勝利」よりも「リベラルの落胆」を報じたが、これはないだろう。かくいう私はクリントン氏支持だったが、それは米国のアジア政策が変われば大変と思うからである。しかし大統領当選者やその支持者をそっちのけにした見出しは見苦しい。木村氏がそれをテレビ画面に示したときは苦笑した。

 かねて米国紙の日本関連記事の偏向が苦々しかっただけに、この米国メディアの瓦解(がかい)という大失態に快感すら覚える。マスコミを信用せぬ米国民衆の力は不気味だが、それが痛快に感じられたのは、いってみれば日本で『朝日新聞』の慰安婦関連報道の偽善が暴露された際に覚えた勝利感に似ていた。あれで日本のメディアの大瓦解は始まった。

 ≪人間の本音を見抜いた木村氏≫

 米国生まれの木村氏は複眼で観察し、イデオロギーにとらわれず、NHKでも公平にニュースを語ったが、米国メディアの欠点を見抜いた報道人がわが国にいたとは頼もしい。木村氏に説得力があるのは報道界を金縛りにした、建前としての正義にとらわれず、人間の本音を見抜いたからだ。いま内外にまかり通る「政治的公正(ポリティカル・コレクトネス)」なる建前の偽善性の例を二、三あげよう。

 「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない」

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