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【正論】外交落着に近付いた「ハイ・タイム」は遠くに去った 北朝鮮制裁の意味を再確認せよ 東洋学園大学教授・櫻田淳

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【正論】
外交落着に近付いた「ハイ・タイム」は遠くに去った 北朝鮮制裁の意味を再確認せよ 東洋学園大学教授・櫻田淳

東洋学園大学教授・櫻田淳氏 東洋学園大学教授・櫻田淳氏

 およそ、広い意味での政治の手段は3つしかない。すなわち、「物理的暴力による恫喝(どうかつ)」「具体的利益による誘導」「象徴の操作による説得」-である。

 「説得」は、対朝政策の文脈では、具体的には国連安保理や各国政府が発する非難声明のような「言葉」の対応をさす。しかし、もはや北朝鮮が国際社会の評判を気にするような国ではない以上、そうした対応の効果は切れているとみた方が適切であろう。

≪武力行使を含む決議も視野に≫

 「誘導」は、経済制裁のような「カネ」絡みの対応をさすけれども、それが機能していないことは、従来、折々に指摘されてきた。実際、現在の対朝制裁の文脈では、北朝鮮からの石炭や鉄、鉄鉱石などの輸入が禁止されているのであるけれども、その制裁には、北朝鮮国民の「生活」にかかわる取引は除くという例外規定がある。

 ロイター通信(10月11日配信)記事によれば、米国は、その例外規定が制裁の“抜け穴”になっていると判断し、それをふさぐ対応を模索しているけれども、中国は「人道」を持ち出して反対しているのである。

 「恫喝」は、武力行使を含む「力」の対応をさす。前に触れた「説得」と「誘導」の2つの手段だけで北朝鮮に絡む案件が落着できるのであれば、それが願わしいことであるとはいえ、過去の実績から判断する限り、その限界が感じられるようになるのも当然であろう。

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