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【朝鮮大学校 60年の闇(下)】朝鮮労働党幹部、金日成教示を潰す

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【朝鮮大学校 60年の闇(下)】
朝鮮労働党幹部、金日成教示を潰す

「旺載山事件」の韓国捜査資料。北朝鮮の工作機関「225局」の暗躍が記されている 「旺載山事件」の韓国捜査資料。北朝鮮の工作機関「225局」の暗躍が記されている

 「いったん(朝鮮労働)党で再検討する。教示は『非公開』だ」

 党幹部は韓らにそう告げた。総連幹部の生殺与奪を握っていたため有無を言わせなかったが、韓が安(あん)堵(ど)の表情を浮かべたのは想像に難くない。

 朝鮮学校では朝鮮語で授業が行われていたが、金日成はこの前年、「国語(朝鮮語)は『語学』として教えればよい」との考えを示していた。だが、この教示も握り潰される。タブー視されてきた日本語を語学習得のため授業で使っても構わないという意味合いがあったが、総連は受け入れることができなかった。

 結局、党・総連幹部に都合の悪い教示が握り潰されることは、金正日の時代になっても続いた。

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 30代の朝大外国語学部OBは卒業旅行で訪朝したとき、金日成総合大学の教授が「(金日成の思想を絶対化する)主体思想は戦略のために作った」と公然と言い放ったことに驚いたという。朝大では決して講義されることのない指導内容だったからだ。

 党幹部らが最高権力者の威厳を利用しながら、自らの保身のため握り潰した数々の不都合な教示は、いまだに朝大在校生の耳には届いていない。総連の主導で自己矛盾をはらむことになった朝大は闇を深めながら、自壊の道を突き進んでいる。(敬称略)

この連載は喜多由浩、比護義則が担当しました。

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