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【米大統領選・争点の現場】衰退する製造業の街、激戦州オハイオ オバマへの怒りがトランプを後押し 

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【米大統領選・争点の現場】
衰退する製造業の街、激戦州オハイオ オバマへの怒りがトランプを後押し 

オハイオ川沿いに連なる壁画は、かつての製靴産業の栄光を伝えている=9日、オハイオ州ポーツマス オハイオ川沿いに連なる壁画は、かつての製靴産業の栄光を伝えている=9日、オハイオ州ポーツマス

 近くを通りかかったジェームズ・テアルズ(36)は「人種差別主義者のトランプは信用できない」と吐き捨てた。精神疾患で職を失い、この数カ月はホームレス向けの宿泊施設で暮らしているが、食事も満足にとれないという。

 テアルズが信頼を置くのはクリントンだ。「今の状況には満足できないが、オバマは支持してきた。クリントンが大統領になって奇跡を起こしてほしい」。

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 トランプは8日、クリーブランドでの演説で「すべての人に成功へのハシゴを用意する」として、教育を目的とした低所得者向けの補助金創設を公約。一方のクリントンは9日に「トランプ支持者の半分は嘆かわしい人たち」と発言して反発を買うミスを犯したが、翌10日には謝罪して「本当に嘆かわしいのはトランプだ」と挽回を図る。

 状況改善の兆しもある。13日に発表された15年の全米の貧困率は13・5%で14年から大きく減った。だが、金融危機前の水準には戻っていないのも現実だ。

 州南部ローガンを拠点に低所得者向けの食料配給を行っている地域組織「HAPCAP」は15年度、12万世帯に食料を届けた。活動地域には貧困率が約30%もある郡もある。HAPCAPのケイティ・シュミッツァーは「食料の配給を求める声は今も増えている。この地域には今の政治が自分たちのために機能していないと考える人も多い」と話す。大統領選は生活の改善を託すにふさわしい人物の選択でもある。(米オハイオ州ポーツマス 小雲規生、写真も)=敬称略

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