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【検証・文革半世紀 第3部(5)】「法律より党指導者の考え方が重要」 “人治”の伝統、いまだ消えず

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【検証・文革半世紀 第3部(5)】
「法律より党指導者の考え方が重要」 “人治”の伝統、いまだ消えず

G20開催前には、小銃を手に警備する武装警察隊員らの姿も見られた=9月1日(共同) G20開催前には、小銃を手に警備する武装警察隊員らの姿も見られた=9月1日(共同)

 一般民衆を動員し、造反運動に参加させた毛沢東にとって、法律を武器に社会秩序の維持を図る司法機関は邪魔な存在に他ならない。「打爛公検法」(公安、検察、裁判所を打ち砕く)運動を展開した。

 「資本家が人民を迫害する場所となった」と司法機関を糾弾し、裁判官や検察官、弁護士の大半に再教育を課した。各地の紅衛兵などで構成する「革命委員会」に裁判権を委ね、人民裁判の名の下、多くの「死刑判決」と冤罪を生んだ。

 文革中、紅衛兵が国家主席、劉少奇の自宅に押し入って夫妻に暴行した際のことだ。劉は中華人民共和国憲法の本を持ち出し、「私は国家主席である以前に、公民として憲法で保障された権利を享受できる」と主張したが、完全に無視され殴られ続けた。中国ではよく知られたエピソードだ。

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 文革後、共産党政権は「人治国家」という批判を払拭するため、「法による支配」を打ち出した。その効果はあったのだろうか。

 杭州で今月上旬に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議では、警備上の理由で周辺の交通や物流が規制され、市内の商店から工場まで一斉にストップした。大勢の人が多大な損害を被ったが、これらはすべて地元当局の命令で法的根拠はまったくない。

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