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【緊迫・南シナ海】裁定の意義は? 中国側の「完敗」、「歴史的権利」根底から否定

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【緊迫・南シナ海】
裁定の意義は? 中国側の「完敗」、「歴史的権利」根底から否定

 南シナ海をめぐる仲裁裁定では、中国が南シナ海における資源保有権の根拠としてきた「九段線」の主張を退けるなど、「中国側の完全な敗北」(国際法学者)といった評価が聞かれた。裁定は、中国が排他的に資源や海上を管轄していたという「歴史的な証拠はない」と断定。中国が国際社会への説明で繰り返してきた「歴史的権利」を根底から否定した格好だ。

 また、中国が埋め立て、滑走路を建設するなどして軍事拠点化を進めるスービ(中国名・渚碧)礁などは「低潮高地」とのフィリピンの主張が認められ、12カイリの領海も発生しない。この結果、人工島付近を航行する米軍の作戦が正当化されることになる。

 裁定は、中国がフィリピン漁民に対し、スカボロー礁(同・黄岩島)付近で妨害を行ったと認定。この海域では伝統的な漁業権がフィリピン、中国、そのほかの国にもあるとして、平和的な管理に道を開いた。スプラトリー(南沙)諸島で中国が人工島建造のために行った埋め立てにより、サンゴ礁を破壊するなど生態系に損害を与えたとした。

 また、中国が1995年にフィリピンの隙を突いて支配を始め、3千メートル級の滑走路を築いたミスチーフ(美済)礁も低潮高地で、中国による人工島化が紛争を悪化させたと非難した。(シンガポール 吉村英輝、ベルリン 宮下日出男)

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