産経ニュース

【緯度経度】北朝鮮の「水攻め」を韓国警戒 南北に問われる民族的力量 黒田勝弘

ニュース 国際

記事詳細

更新

【緯度経度】
北朝鮮の「水攻め」を韓国警戒 南北に問われる民族的力量 黒田勝弘

 日本の戦国時代(16世紀)に秀吉軍が毛利支配の備中(岡山)高松城を攻略した戦法は軍師・黒田官兵衛が考案した「水攻め」だった。先年、NHK大河ドラマで再現されていた。城の周りに土塁を築きその中に川の水を引き込んで城を孤立させるというものだ。

 似たような発想で、韓国は以前から北朝鮮が水攻めをしてくるといって警戒している。最近、朝鮮半島は梅雨入りで大雨に見舞われた。上流の北朝鮮がダムの水を黙って放流したため下流の韓国側で水かさが急に増え「すわ、水攻めか?」と話題になった。

 南北軍事境界線に近いソウルの北方には、臨津江(イムジンガン)など北から流れ下る川がいくつかある。上流の北朝鮮側にはダムがあって、その水門を一気に開いて水をドッと流すと、下流の首都ソウルはたちまち水浸しというわけだ。韓国側も当然、それに備えいくつかのダムを構えているが、実際に“有事”にどれだけ耐えられるかは分からない。

 ただ有事はともかくとして、平時に放流する際は事前に通報してほしいというのが韓国側の希望だ。事前通告は2009年に南北で合意しているが北朝鮮が守らないのだ。このため過去、突然の放流により下流の韓国側で漁民や行楽客に被害が出ている。

 南北双方お互い「同じ民族」といってやまないのにこんな簡単な約束だって守られない。この地の人びとが大好きな言葉を借りていえば、これはもう「民族として道徳性に問題あり」というしかない。

続きを読む

「ニュース」のランキング