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南海に散った10万人…慰霊に捧げた男と日台の絆 台湾でバシー海峡での犠牲者を悼む慰霊祭

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南海に散った10万人…慰霊に捧げた男と日台の絆 台湾でバシー海峡での犠牲者を悼む慰霊祭

2日、台湾南端の恒春の岬でバシー海峡に向かって手を合わせる慰霊祭参列者(共同)

 【恒春(台湾南部)=喜多由浩、田中靖人】先の大戦で少なくとも10万人以上が戦死したバシー海峡(台湾-フィリピン間北部)や周辺海域での犠牲者を悼む、戦後70年の慰霊祭が2日、同海峡を望む台湾・南端の潮音寺(ちょうおんじ)で行われ、交流協会台北事務所の沼田幹男代表(駐台大使に相当)や遺族、日台の関係者ら約160人が参列した。

 戦争末期、この海域では日本軍の艦艇や輸送船が米潜水艦などに相次いで撃沈され“魔の海峡”“輸送船の墓場”と呼ばれた。

 潮音寺は、同海域を航行中に撃沈され、12日間の漂流の末、九死に一生を得た元日本兵、中嶋秀次(ひでじ)さん(平成25年、92歳で死去)らが私財を投じ、昭和56(1981)年に建立。台湾の関係者とともに犠牲者の霊を見守ってきた。

 慰霊祭では、海峡に沈んだ駆逐艦「呉竹(くれたけ)」の吉田宗雄艦長の長男で、佐賀・禅林寺住職、吉田宗利(むねとし)さん(73)が読経を行うなかで参列者が焼香を行った。

 同地での大規模な慰霊祭は今回が初めて。開催のきっかけになった『慟哭(どうこく)の海峡』の著者で、ノンフィクション作家の門田隆将(りゅうしょう)さんは、「バシー海峡の戦死者は長く、忘れられた存在だった。戦後70年の年にこれだけたくさんの方が集まったことに感動している」と話していた。

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