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中国の「反スパイ法」、日本や東南アジア念頭か 定義あいまい…恣意的運用も

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中国の「反スパイ法」、日本や東南アジア念頭か 定義あいまい…恣意的運用も

 【北京=矢板明夫】2日付の「新京報」など中国各紙は、全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会が1日に「反間諜法」(反スパイ法)を可決し、即日施行したと伝えた。同法はスパイ行為を初めて法的に定義したとされるが、「法律には曖昧な部分が依然として多く含まれ、司法機関が恣意(しい)的に解釈し、体制を批判する活動家の弾圧に利用されることが心配だ」(人権派弁護士)と指摘する声もある。

 同法を策定した理由について、中国の耿恵昌国家安全相は全人代で「わが国が直面する新しい情勢に対応するため」と説明した。

 共産党関係者は「日本や東南アジアなどの周辺国との対立が増え、外国の情報機関が中国国内での活動を活発化させている」とした上で、「従来の国家安全法などでは対応しきれない部分が出ている」と話し、今回の法整備は日本や東南アジア諸国を念頭に置いていることを示唆した。

 反スパイ法では「外国などのスパイ組織に参加する」「スパイ組織の指示を受け、秘密情報の取得など中国の国家安全を脅かす活動に従事する」「敵に攻撃目標を教える」などの行為をスパイ行為と規定した。しかし、スパイ組織についての定義は曖昧で、条文の中では「敵対組織」とも表現されている。

 中国の裁判所の判例では他国の外務省やメディア、民間団体が「スパイ組織」と認定されたケースもある。人権派弁護士は「中国国内の活動家が外国の政府や団体から資金援助を受けたり、知識人が外国のメディアに寄稿したりすることもスパイ行為と認定されかねない」と懸念する。また、香港で続くデモについて、中国国内の活動家が香港市民の活動を支援した場合、反スパイ法の取り締まり対象になる可能性もある。

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