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いまだ解けぬ呪縛 タブー視され、総括されない中ソ論争

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いまだ解けぬ呪縛 タブー視され、総括されない中ソ論争

 北京で発行されている月刊誌『炎黄春秋』(9月号)を読んでいて、興味深い論文に出合った。1950年代後半から60年代半ばにかけて行われた中ソ論争に関するもので、筆者は中国共産党中央対外連絡部の幹部だった呉興唐である。(フジサンケイビジネスアイ

 筆者が強調しているのは、中ソ論争が文化大革命をもたらした要因のひとつであるにもかかわらず、全面的な総括がなされていないという事実である。

 言外には、中ソ論争を総括すべきとの筆者の主張があり、文化大革命の理論的根源を完全に否定したいとの思いがある。『炎黄春秋』は改革派、あるいは民主派が拠点としている雑誌で、だからこそ、この論文も掲載されたのだろう。

 鄧(トウ)小平のイニシアチブで毛沢東時代を総括した、81年の中国共産党の「歴史決議」は、文化大革命については「内乱」だったと完全否定の総括をしている。だが中ソ論争に関しては、それが国内における階級闘争の拡大化につながったと簡単に触れているだけである。

 筆者によると、鄧小平は80年代に外国からの政党代表団と会った際、中ソ論争を振り返り、誤りは双方にあったなどと述べている。だがそれも詳細に語ったものではなく、しかも国内向けではなかった。『鄧小平文選』には収録されていない。

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