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新型iPhoneも「超高額」になるが、それでも誰もが購入する

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新型iPhoneも「超高額」になるが、それでも誰もが購入する

高い利益率が市場制覇の原動力

それでは、アップルはどうやってここまで上り詰めたのだろう。答えはシンプルで、生産コストが(比較的)安い製品を高額で販売し、人々がそれを買うように仕向けたのだ。

現行のフラッグシップモデルで、値段も最も高い「iPhone X」を見てみよう。米国でのiPhone Xの販売価格は1,064ドル(約11万8,000円)だ。英国とユーロ圏ではさらに高く、999ポンド(約14万4,000円)と1,159ユーロ(約14万9,000円)に設定されている。

一方で、最高経営責任者(CEO)のティム・クックは否定しているが、iPhone Xに使われている部品はすべて合わせても400ドルに満たないとされる。生産ラインではオートメーションが進んでいるので組み立てコストはごくわずかだし、研究開発への投資も競合メーカーと比べて少ない。

こうしたことが相まって、アップルは2,850億ドルという途方もない額の手元資金をもつようになった。安定した業績に支えられ、時価総額は8月初めに1兆ドルを超えている。

アップルにとってさらにありがたいのは、顧客が製品価格をまったく気にしないという点だ。iPhoneユーザーは顧客満足度、ブランドへの忠誠度、製品寿命、中古買取価格といったことに関する調査で、すべて高い得点を出している。

そしてもうひとつ忘れてはならないのが、App Storeという“金のなる木”だ。このアプリとサーヴィスを組み合わせた壮大なエコシステムは、Android関連の売り上げをすべて合わせた額の少なくとも2倍に相当する収入をアップルにもたらすという。

世界のiPhoneユーザーは8億人を超える。理論的には市場の飽和と呼ばれる状態が起こり、安価なモデルを含む別の選択肢を求める声が出てくるはずだが、アップルには常識は通用しない。このクパチーノの巨大企業は、もはや革新性を失ったデヴァイスにもあり得ないようなプレミア価格をつけて売ることができるのだ。

販売台数の頭打ちを高単価でカヴァー

ただ、iPhoneにかつての輝きがなくなってしまったのは、必ずしもアップルにおけるイノヴェイションの欠如が原因ではなく、同じことが大半のメーカーにも起きている。スマートフォン業界は全体的に、ユーザーが毎年でも新しいモデルを買わずにはいられなくなるような技術革新を生み出す力を失っている。

一方でiPhoneは、依然としてファーウェイ、シャオミ、Oppoといったメーカーの製品の2倍から3倍の値段で店頭に並ぶ。中堅メーカーのモデルの性能は、アップルやサムスンなど業界大手とほとんど遜色のないレヴェルまで達しているにも関わらずだ。こうした状況はいつまで続くのだろう。

iPhoneの平均使用年数が延びているため、販売台数は一時期ほどの勢いでは拡大してない。だがアップルは、製品単価を上げることで売り上げが落ち込むことを防いでいる。

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