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全米で止まらぬ山火事と「仮説」の崩壊 地球温暖化は予測不能な段階に

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全米で止まらぬ山火事と「仮説」の崩壊 地球温暖化は予測不能な段階に

19世紀末までには、土地は家畜の放牧などに利用されるようになったが、土地の利用者には山火事に対する耐性はほとんどなかった。年輪年代学者のトム・スウェットナムは次のように指摘する。

「20世紀後半から21世紀初頭のいまでは、暑さによる干ばつや山火事がこれまでに体験したことのない激しさで猛威をふるっています」

スウェットナムが研究対象にしているジェメス山系で発生した山火事は、12時間で40,000エーカー(約16,187平方メートル)を焼いた。2方向からの逆回転の風にあおられて発生する炎「水平ロール渦火炎」だった。スウェットナムは言う。

「火災後にはキャノピーホールと呼ばれる、樹木のまったくない空間が30,000エーカー(12,140平方メートル)以上にわたって残されました。木が1本もない巨大な穴が山林の上層部の広がりのなかにできたのです。少なくとも過去500年に、こうしたことが起きた考古学的証拠はありません」

最悪の予想が、いま現実に

スウェットナムはニューメキシコ州の、とりわけ山火事の多い地帯に住んでいる。彼によれば、そこは原野と都会の接点なのだが、これまでになく危険なエリアになりつつあるという。

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5/6カリフォルニア州で発生した山火事で焼けた建物。2018年8月10日撮影。PHOTO: JENNIFER CAPPUCCIO MAHER/INLAND VALLEY DAILY BULLETIN VIA GETTY IMAGES

「こうした変化は悲しく、また懸念すべきことです。しかし、われわれ年輪年代学者の多くは気温の上昇が続けば、こうした現象が起きるだろうと予測していました。最悪の予想が現実のものとなるのを目の当たりにしているのです」

山火事の研究者らは、気候変動に端を発する山火事と土地利用の因果関係について、以前から警告を発してきた。ハリケーンと洪水が、土地の利用方法と関係があるという指摘と同じくらい長い間、主張してきたのだ。

それでも人々はヒューストンの氾濫原に家を建てたり、ミシシッピー川に貧弱な堤防しかつくったりせず、森のそばにも家を建て、やぶや木立を手入れしなかった。その間じゅう、気温の上昇は続いていた。

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