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全米で止まらぬ山火事と「仮説」の崩壊 地球温暖化は予測不能な段階に

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全米で止まらぬ山火事と「仮説」の崩壊 地球温暖化は予測不能な段階に

研究は進むも、一般にまで浸透しないジレンマ

だからといって、学ぶべきことや打つ手が何もないというわけではない。火災の傾向にまつわるデータが増えれば、逆に研究者たちは起こりうる事象の予測モデルを構築しやすくなる。

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3/6カリフォルニア州で発生した山火事の様子。2018年8月10日撮影。PHOTO: PHOTO BY MARIA ALEJANDRA CARDONA/LOS ANGELES TIMES VIA GETTY IMAGES

「燃料管理」を行う最適な方法もわかるようになるだろう。すなわち、気候変動の影響による熱波や干ばつで乾燥した可燃性植物をどのように除去するかといったことだ。さらに研究が進めば、より燃えにくい建造物の建て方や、第一選択肢として、建造物を建てるべきでない場所はどこかを見定めやすくなる。

これらを実現するためにはもちろん、政策立案者が聴く耳をもち、行動に移すことが前提だ。だが、彼らはまだそういう態度をとっていない。ウェスタリングは言う。

「政策立案者は火災からの回復力や耐火性の高さについては雄弁に語ります。また、研究者であるわれわれも、気候変動や山火事などのリスクについてこれまで何十年にもわたって議論をしてきました。しかし、科学者やリスク管理の専門家以外の人々の間では、いまだ議論に大きな前進は見られません」

これが現実なのだ。火災の研究者らは少なくとも20年前、ひょっとすると1世紀も前から、大気中の二酸化炭素(CO2)の増加がより大きな山火事の発生につながると警告していた。歴史が次のような事実を証明している。

火事跡や木の年輪サイズなどのデータを基に研究者たちが明らかにしたところによると、欧州から人々が北米に入植する前、山火事の頻度は比較的多かったが、規模は割に小さかった。プエブロなどの先住民は多くの木を燃料として使い、建築用に直径の小さい樹木を用いていたという。

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4/6カリフォルニア州で発生した山火事の様子。2018年8月10日撮影。PHOTO: MARIO TAMA/GETTY IMAGES

一方、スペイン人が米大陸にやって来たころ、疫病の蔓延で先住民たちは村を追われ、人口は90パーセント近く減少した。その結果、森で発生する山火事は以前の自然なパターンに戻った。頻度が低く、比較的規模が小さく、広範囲にわたるタイプの山火事だ。

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