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月への入植を目指す日本企業、ispaceの挑戦

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月への入植を目指す日本企業、ispaceの挑戦

ただ、日本語では意味が違ってくる。西欧世界では月には「月の男」がいると信じられているが、日本では月にいるのはウサギだということになっているのだ。

月に本当にウサギが住んでいるのか、それを確かめるのは容易ではない。ロケットの打ち上げが失敗するといつも言われるように、宇宙に行くのはとても難しい。しかし、それ以上に大変なのは宇宙ベンチャーの運営だ。

グーグルからの賞金で世界から注目

袴田たちの場合、立ち上げからしばらくは全員がヴォランティアでかかわっており、彼もプロジェクトのために貯金を切り崩していた。一方で、グーグルのコンテストは脱落者が増えていった。当初は32チームが名乗りを上げたものの、最終段階まで残ったのはわずか5チームで、2013年にはWhite Label Spaceの欧州チームも離脱を決めた。

だが日本チームは諦めなかった。チーム名を正式にHAKUTOに変更し、プロジェクト運営会社としてispaceが立ち上げられた。

新体制で再スタートを切ったものの、困難は続いた。袴田は「2013年には自分の銀行口座の残高がゼロになりかけたこともあります」と話す。しかし、ここで救いの神が現れる。グーグルが中間目標を設定し、それを達成したチームには特別賞金を出すと発表したのだ。チームは勢いを取り戻した。

袴田は両親から金を借り、HAKUTOは最終的に月面で探査機を500m走らせる技術の開発に成功したチームに送られる50万ドル(約5,550万円)の賞金を得ることができた。東北大学の校舎から試作機を救い出したウォーカーは、「あれがチームが一般にも知られるようになった始まりですね」と言う。HAKUTOは日本国内だけでなく、世界でも注目を集め始めた。

ヴェンチャーキャピタルのグローバル・ブレインで宇宙ビジネスを担当する青木英剛は、「日本人は宇宙が大好きなんです」と指摘する。宇宙分野のスタートアップに資金を提供する投資家の数では、米国に次いで世界2位につける。しかし、投資先はたいていが日本ではなく海外の企業だ。

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