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コアラの全ゲノム配列を解読完了 絶滅危機から救う遺伝学的プロジェクト

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コアラの全ゲノム配列を解読完了 絶滅危機から救う遺伝学的プロジェクト

発症したコアラの野生復帰に遺伝学が役立つ

遺伝学的知見は、どこから来たかわからないコアラの野生復帰にも役立つだろう。「救護施設に運び込まれたコアラがどこから来たのかわからなくても、遺伝的プロフィールに注目し、最も近い個体群を特定することで出身地を推定できます」と、ジョンソンは説明する。

そしてクラミジアだ。この細菌に感染したコアラは、失明や不妊、重い尿路感染症に苦しむ。クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州の野生動物病院に運び込まれるコアラのうち、じつに40パーセントが末期のクラミジア症と診断されている。彼らに野生復帰の望みはない。目が見えなくては、餌を探すことも、捕食者を避けることもできないからだ。

しかし、ここでも遺伝学が役立つはずだ。研究者たちは、発症した個体と健康な個体を比較し、遺伝子の発現状況の違いに注目している。これにより、ワクチン開発の方向性が見えてくる可能性がある。

「ワクチン接種で回復した個体と、接種したけれども回復しなかった個体との間で、免疫遺伝子プロフィールを比較する予備的分析をおこないました。こうしたプロセスを繰り返すことで、ワクチンの効果を高められると考えています」と、ジョンソンは言う。

遺伝学の知見に基づく介入が検討されているのは、コアラだけではない。カリフォルニア州では、こちらも同州を象徴する哺乳類であるピューマが、同じように開発の脅威にさらされている。カリフォルニア南部のハイウェイが、サンタアナ山脈のピューマの個体群を、周辺個体群から孤立させているのだ。

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