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水没の危機にあるヴェネツィアを巨大な「壁」は洪水から本当に救えるのか?

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水没の危機にあるヴェネツィアを巨大な「壁」は洪水から本当に救えるのか?

具体的な日付がいつであるにせよ、MOSEがきちんと都市を守れるかどうかは依然として明らかになっていない。もし守れたとするなら、それはどれほどの期間守ってくれるのだろうか?

18世紀から続くシンプルなアイデア

MOSEは防潮ゲートの原理に基づいて動作する。穏やかな気候のとき、ゲートは水で満たされた状態で海底に位置している。だが満潮が迫っている場合、水は注入された圧縮空気によって押し出される。これによりゲートは浮上し、潮が干潟に入ることを防ぐ。高潮が静まるとゲートは再び水で満たされて、海底へ沈んでいく。

「このアイデアは非常に古いものです」と、マサチューセッツ工科大学の海洋物理学者パオラ・マラノッテ=リッツォーリは語る。彼はイタリア政府が解決策を考案するために協力を求めた専門家集団のひとりだった。「18世紀には、ヴェネツィアのエンジニアたちが海を食い止める機械装置の下図を描いていた証拠が残っています」

それにもかかわらず、このプロジェクトは開始当初から激しい批判にさらされてきた。環境保護団体は防潮堤の建造が海の生態系を修復不可能なまでに危険にさらすと主張した。一方で、一部の政治家はこの計画には未知のことがあまりにも多く、またより安価な解決策が必要だとして反対している。

しかし、海面が上昇した場合、それを食い止める防潮堤を築くこと以外に選択肢は多く存在しないことに、多くの専門家が同意しているのも事実だ。特にヴェネツィアのように、ほかに類のない都市ならなおさらである。

「MOSEのコンセプト自体はいいものです」とマイアミ大学で海洋科学を教えている環境工学者イェルク・インベルガーは語った。「しかしそのことはすべて、“守る”ということが何を意味するかによって変わります」

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