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IBMの新しい人工知能は、人間を「論破」する能力を身につけた

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IBMの新しい人工知能は、人間を「論破」する能力を身につけた

Googleで検索したところ、この主張はイギリスの社会主義系の新聞『ザ・モーニングスター』の論説ページに書かれたものだった。ディベーターのアルゴリズムが選び出した出来事や統計データは、ニュースの記事から調べたもののようだったが、議論と噛み合っていないケースがあった。例えば、ある金額の削減がどの国や地域で期待できるかといったデータの引用などだ。

こうした問題はあったものの、ディベーターが見せたパフォーマンスは、このようなAIのテクノロジーが、IBM製品や他社製品を通じて消費者の生活や企業の業務に利用されていく可能性を感じさせるものだった。グーグルによるデュプレックスのデモと同じように、注意深く管理された状況であれば、コンピューターが言語を使って驚くようなことができるのを今回のディベートは示したのだ。

投資や政治で活躍する日がやってくる?

「ディベーターが人間より説得力のある情報を提供して聴衆を驚かせた」という事実は、「Alexa」のようなヴァーチャルアシスタントが、Wikipediaの記事を引用する以上のことを行えるようになる未来を予感させる。ハワイとフィジーのどちらがヴァカンスに向いているか比較するように頼んだり、あるニュースについて異なる複数の見解を求めたりできるようになるかもしれない。

ダンディー大学のリードは、「インターネットに流れるフェイクニュースの真偽を人々が判断するのに、ディベーターのようなAIのテクノロジーが役立つかもしれないですね」と語る。また、「企業の役員会議や法廷での議論に貢献できるヴァーチャルアシスタントを、IBMなどの会社がつくり出す可能性もあるでしょう」と言う。

IBMは現在、ディベーターに使われたいくつかのテクノロジーを使って、投資のプロにアドヴァイスを提供するテストを行っている。さらに政治家が、厄介な問題を複数の立場から検討できるようにするシステムにも関心を示している。

IBMでは、現行のディベーターについても研究課題として取り組みを継続する計画だ。「もしディベーターと対決しなければならなくなったら、皮肉や当てこすりを言えばいいでしょう」とリードは勧める。「(ディベーターを)混乱させたいなら、そうするのは難しくないと思いますよ」

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