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中国の廃プラスティック輸入規制は、世界の環境汚染に歯止めをかけるか

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中国の廃プラスティック輸入規制は、世界の環境汚染に歯止めをかけるか

 中国が廃プラスティックの輸入規制を始めたことで、これらが周辺諸国に溢れる事態が起き始めている。処理しきれないプラスティックが積み上がるなか、世界各国ではプラスティックの使用見直しやリサイクル率の向上、使い捨てプラスティックへの課税などの動きが始まった。

中国が原則として廃プラスティックの輸入をしなくなった。世界の廃プラスティックはどこに向かうのだろうか? PHOTO: JEAN CHUNG/BLOOMBERG/GETTY IMAGES 中国が原則として廃プラスティックの輸入をしなくなった。世界の廃プラスティックはどこに向かうのだろうか? PHOTO: JEAN CHUNG/BLOOMBERG/GETTY IMAGES

長い間、中国は世界のプラスティックごみの廃棄場だった。1990年代の中国市場は、廃プラスティックを輸出可能な各種製品に再生して利益を上げられると考えていた。

そのうえ世界のさまざまな都市にとっては、自分たちで廃プラスティックを処理するよりも中国に輸出するほうが安上がりだった。中国はプラスティックを安く手に入れ、輸出国はごみを処分できたのである。

ところが2017年11月、中国はもうたくさんだと声を上げ、汚染されたプラスティックの受け入れを止めた。行き場をなくしたプラスティックはヴェトナムや韓国、タイといった近隣諸国に流れたが、そうした国には中国が拒絶している廃棄物を受け入れるインフラがないため、プラスティックが積み上がっている

『Science Advances』で6月20日(米国時間)に発表された論文によると、2030年までにストローや袋、ペットボトルのような廃棄物の行き場はなくなっていき、その量は1億1,100万メートルトンにもおよぶという。地球上の全人類が、体重の4分の1に相当する量のほとんどが使い捨てのポリマープラスティックを捨てながら、大きな廃棄物の山をつくっているような状態だ。

中国の新たな政策は廃棄物の山を急激に増やしてしまうが、そこに落ち度はない。ジョージア大学で材料科学を研究する大学院生で、論文の主執筆者であるエイミー・ブルックスは、「中国はこの28年間、廃プラスティックを輸入してきました。そしてしばらくして、廃棄物処理について世界中からあてにされていると気づいたのです」と語る。

2016年、中国は自国に加えて43カ国もの廃棄物を処理していた。1988年以降、中国へ輸出されたプラスティックの90パーセント近くは高所得国から来たものだった。欧州連合(EU)が最大の輸出元であり、北米と日本がそれに続いた。

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