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サッカーW杯で賛否両論 「VAR」によるビデオ判定導入の舞台裏

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サッカーW杯で賛否両論 「VAR」によるビデオ判定導入の舞台裏

一方で、誤審があるとオペレーションルームが主審にコンタクトを取る。この場合、主審はVARの意見を受け入れるか、フィールドに用意されたモニターで問題のプレーを確認する。

オペレーションルームはモスクワにあり、VAR1人とアシスタント3人の計4人でひとつの試合を見る。全員がFIFAの国際サッカー審判員の資格をもち、フィールドから送られてくる映像は10台のモニターで確認される。

各モニターはタッチスクリーン機能を備え、ズームインや映像の角度の切り替えも可能だ。また、判定が不透明だとの批判を避けるために、スタジアムのメインスクリーンにはリプレイ映像やグラフィックによる注釈を加えた説明などが映し出される。

17試合が終わった時点で、VAR判定が使われたのは5回にとどまった。また、VARの介入によるPKが4本あったが、試合が頻繁に中断されるとの懸念は杞憂に終わっている。

もちろんVARに批判的な人は、ヴィデオ判定後も訂正されなかった誤審を指摘するだろう。冒頭で紹介したコスタとぺぺの事例のほかにも、イングランドーチュニジア戦ではイングランドのハリー・ケインがチュニジアのディフェンダーに邪魔されて動けなくなった場面でVAR判定が2回使われたが、いずれもPKは与えられなかった。ケインは試合後、「VARはまさにああいう状況のためのもの。本当に動けなかったことが何回かあったので」と話している。

しかし、こうした批判は事を単純化しすぎている。そもそも、VARがなければ審判の判定を確かめることすらできなかったのだ。ヴィデオ判定を導入することで誤審を完全になくすことはできないにしても、一部は正されるようになる。ペルーデンマーク戦で前半44分にクリスティアン・クエバがエリア内で倒されたとき、審判は試合を止めなかったが、結局はVAR判定でペルーにPKが与えられた。

ブラッドは「人は問題があると思ったときしか騒ぎません」と指摘する。「ハッピーなら何も言わないで終わりです。だからこそ、VARをめぐる批判はなくならないでしょう。VARを使った審判システムはたいていはうまく機能しています。その間は誰も文句は言いませんが、たまに何か問題が起こると、すぐに議論が始まるのです」

ひとつだけ確かなことがある。いずれにしても、サッカーは根本的に「変わった」のだ。

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