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サッカーW杯で賛否両論 「VAR」によるビデオ判定導入の舞台裏

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サッカーW杯で賛否両論 「VAR」によるビデオ判定導入の舞台裏

試合での判定制度は向上

昨シーズン中には、ブンデスリーガやセリエA、リーガNOS(プリメイラ・リーガ)など、各国のプロリーグでVARが試験導入された。イングランドではEFLカップ(リーグカップ)とFAカップの一部試合でテストが行われ大きな注目を集めたが、どの場合もメディアでの報道はVARの本質とは関係のないことばかりだった。

例えば、メルボルン・ヴィクトリーとニューカッスル・ユナイテッド・ジェッツの戦いとなったオーストラリアのAリーグの決勝戦では、オフサイドからのシュートが決まった場面で審判がヴィデオ判定を使おうとした。しかし、直前にカメラに不具合が生じたために、VARチームが映像を確認することができなかった。また、ポルトガルで行われたある試合では、旗が邪魔になってカメラが問題のシーンを捉えていなかった事例が報じられている。

一方、ドイツのDFBポカールの決勝戦では、終了直前の93分にアイントラハト・フランクフルトのケヴィン=プリンス・ボアテングがハビ・マルティネスの足を蹴るプレーがあった。観客は当然、PKが与えられると思ったが、主審はVARに確認してから、コーナーキックからのゲーム再開という判定を下している。

ブラッドはこれについて、「実際に何があったのかはわかりません」と言う。「こういった場面ではたいてい、審判の判定が実際に正しいのです。しかし、ルールの理解や解釈は人によって違います。ですから観客は審判とは違う意見をもつかもしれません。また、審判は原則的に中立ですが、どちらか片方のチームを応援しているファンが状況を冷静な目で見るのは難しいでしょう」

ベルギーのルーヴェン・カトリック大学の調査によれば、機械判定の導入はうまく機能しているようだ。スポーツ科学の研究者たちが20カ国超で行われた800以上の試合を調べたところ、VAR判定の対象となる4つの場面で、判定精度は93パーセントから99パーセント以上に向上している。

また、VAR判定の57パーセントはPKかゴール絡みだった。ヴィデオ判定が使われた回数は平均で1試合当たり5回以下で、試合がストップした時間は合計でも90秒以下だったという。

韓国ースウェーデン戦で、スウェーデンにPKを与える前にヴィデオ判定の映像を確認する主審のホエル・アギラール。PHOTO: ADAM PRETTY-FIFA/GETTY IMAGES

W杯でVARが完全導入されるのはロシア大会が初めてだ。フィールド上の4人の審判とVARのオペレーションルームはヘッドセットを通して常に連携しており、難しい場面ではフィールドがVAR判定のリクエストを出すか、オペレーション側から連絡を入れることもできる。

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